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のだめカンタービレ Lesson4
『キス成るか!?感動の定期演奏会バトル!!』

のだめ(上野樹里)は、千秋(玉木宏)がSオケの副指揮者から
正指揮者になったことを喜ぶ。
Sオケは、桃ヶ丘音大に特別講師として招かれた世界的な指揮者・
シュトレーゼマン(竹中直人)が、龍太郎(瑛太)や真澄(小出恵介)、
桜(サエコ)ら自ら選んだ学生たちで編成したオーケストラだった。

しかし、行きつけのキャバクラで千秋が店の女の子たちにちやほやされた
ことに腹を立てたシュトレーゼマンは、Sオケを脱退すると宣言し、
ウィーン帰りの清良(水川あさみ)を始めとする優秀な学生たちで
編成されたAオケを率いて定期演奏会で千秋と勝負する、と言い出したのだ。

千秋の部屋。
のだめは千秋が正指揮者に就任されたパーティーを開く。
だが千秋は浮かない顔。

「嬉しくないんですか?
 Sオケが、千秋先輩のものになるんですよ!」
「嬉しくねー。
 何考えてるんだ、あのじじぃ!
 本気で辞める気なのか・・・。
 シュトレーゼマンが指揮するAオケと、あのSオケ。
 勝負になるわけがない。
 それどころか、俺は本当にあのオケをまとめることが
 出来るのか・・・。」

目を閉じ考え込む千秋の唇を狙うのだめ。LOCK ON!!
「さ、勉強勉強!」千秋がかわす。

「チャンスだと思う。
 どんなに優秀でも、オケを触れない指揮者は沢山いる。
 しょぼいオケでもシュトレーゼマンの代理。
 俺が鳴らせてみせる!」


あくる日、千秋は、さっそくSオケの練習に臨む。
龍太郎たちは、おそろいのSオケTシャツを着用し、やる気満々だ。
彼らは千秋のTシャツも用意していた。
あきれ返る千秋。

その頃のだめは学校で干物を焼く。千秋への"愛妻弁当"らしい。
「千秋先輩てのだめのこと、捨て犬拾ったぐらいにしか
 思ってないんじゃない?
 ・・・もしかしてのだめって、犬以下!?」
友達に言われてのだめ、ショック!

千秋の指揮で、練習がスタートする。
だがクライマックスで、龍太郎率いるヴァイオリンチームがいきなり
ロックギタリストのようなアクションを披露!
「ふざけるな!
 そんなパフォーマンスする前にちゃんと弾け!」
「何でだよ!
 音の世界観を全身で表現して何が悪い!!」と龍太郎。
「音で表現しろ、音で!!
 それにこの"ベト7"はな、"田園"や"英雄"と違って、 
 曲に表題がないんだよ!
 勝手に物語のイメージを付けるな!」
「7番ってなんか、偉大すぎるっていうかとっつきにくいって言うか、
 これ位やんねーとつまんねーよ!」
「・・つまんないだ?」

「確かにな。
 普通にやってもAオケには勝てないしな。」と他のメンバー。
「だろ!?
 みんな冒険しようぜ!
 ロックなオケ、これ最高!」
龍太郎の言葉に乗るメンバーたち。

「時間がないんだ!
 いちいち口答えするな!
 全体の音は俺が聴いているんだ!
 ちゃんと俺の求めている音楽を鳴らせ!
 峰。これ以上邪魔するならコンマス降ろすぞ!
 チェロバス!4小節音程が悪い!
 ヴィオラ!一人だけ弓が違う!
 オーボエ、クラリネット!ヘビ使いかお前ら。絞め殺すぞ!
 みんな偉そうにつべこべ言う前にちゃんと音を鳴らせ!
 譜面どおり!正確に!
 作曲者の意思は絶対だ!!
 週明けまでに各自、ちゃんと練習して来い!!」

「定期公演まであと1週間。
 何とかしなくては・・・。」

『裏軒』
Sオケの一件は、講師たちの間でも話題になっていた。
江藤(豊原功補)は、シュトレーゼマンが辞めたのだからSオケは
解散させるべきだと提案した。
すると谷岡(西村雅彦)は、千秋の指揮を見てみたい、と言い出す。
その結果、AオケにSオケを倒してもらってから解散させる、という
結論に落ち着く。
龍太郎の父・そしてこの店の主人・龍見(伊武雅刀)が
不機嫌そうにチャーハンを持って行く。
「良かったら、新しいメニューも始めましたんで。」
龍見はそう言い、『打倒Aオケラーメン始めました』と書かれた
メニューを示す。

千秋の部屋。
「くっそう。あいつら余計なことばっかりしやがって。
 譜面どおり正確に、たったそれだけのことが、
 どうして出来ないんだ・・・。」
千秋が譜面を見ながら勉強していると、インターフォンが乱暴に
鳴らされる。
のだめが実家から送られてきた鍋セットを持ってきたのだ。
勉強中、と言いドアを閉める千秋。
のだめが閉まるドアに顔を突っ込み、千秋は思わず悲鳴を上げる。
「千秋先輩、まさか練習上手くいってないんですか?」
「・・・そんなわけねーだろ。」

結局のだめは千秋の部屋に上がりこむ。
「指揮者も体力勝負。食事はきっちり取らないと。
 よし、完璧!」
「何が完璧だ!
 全部俺がやってるんじゃないか!」
怒りながら包丁で材料を切っていく千秋。
「まあまあ。
 ・・・先輩のお部屋ってとっても綺麗なんですけど、
 何かが足りない・・・。そうだ!!」

のだめは千秋の部屋にこたつを持ち込む。
「鍋にはやっぱりこたつでしょう!」
「こんなもの勝手に持ち込むな。」
「え!?いけませんか?」
「当たり前だ!
 俺はこんな布団付きのもっさりとしたテーブルは
 大嫌いなんだ!!」
「そんなぁ。
 こんなに気持ちの良いものこの世に二つとないじゃないですか。 
 先輩だって入ったことぐらいあるでしょ?」

「実は・・俺は生まれてから一度も
 こたつに入ったことがない。
 物心付いた頃には、既にヨーロッパでの生活。
 日本に戻ってからは、母親の実家が洋式の家で、
 畳の部屋さえなかった。」

のだめのペースに巻き込まれた千秋は、初めてこたつに
足を入れてみる。
「・・・これがこたつ!
 あったかい。」

こたつの魅力に負けた千秋は、スコアのチェックもせずに
つい眠りこけてしまう。
辺りを見渡し、その唇を狙うのだめ。LOCK ON!!
だが千秋は本能からか、またかわすのだった。

「しまった・・・。スコアをチェックし直さないと・・・。
 ま、いいか。
 ここんとこ寝不足だったし、
 鍋の片付けも、指揮の勉強も、
 もう一眠りしてからで・・・。
 こたつ・・・。
 室町時代に登場し、現代に至るまで日本人に愛され続けている、
 冬の暖房器具。
 しかし、こんなに呑気で攻撃性のない、
 平和の象徴のような物体が、 
 このあと、俺を苦しめることになる。」

こたつで眠っていた千秋が目を覚ます。
「こんにちは。」とのだめ。
「もう昼!!」
さらにのだめはパジャマ姿。テレビはソファーの上に
勝手に移動してある。
すっかりのだめのペースに巻き込まれ、ビールを飲みくつろぐ千秋。

その頃龍太郎は図書館で勉強中。
「へー。休みの日なのに意外と熱心なんだ!」清良が声をかける。
「Aオケのコンマス!!」
「『初心者の為のオーケストラ入門』!」
「バカにしてんのか?」
「コンサートマスターとは。
 オケをリードし、ボーイングを決め、独奏部分をソロがあれば弾く
 第一ヴァイオリン奏者。
 指揮者のタクトだけでは合わせられない演奏の
 細かいタイミングなどを目や動作で合図する。
 さらに優秀なコンマスは、指揮者が表現しようとしている音楽を
 レーダーのごとくキャッチし、即座に演奏に取り入れる。」
龍太郎が読んでいた本を完璧に暗記している清良。龍太郎が驚く。
「私も初めてコンマスに選ばれた時必死に呼んだから、
 懐かしいなーと思って。
 まあもうずいぶん昔の話だけど。
 ま、頑張って。」
「やっぱバカにしてんじゃねーかよ・・・。
 ・・・千秋のレーダーか・・・。」龍太郎の顔が輝く。

「こたつって・・・なかなか出辛い・・・。」
千秋が転寝から目を覚ますと、部屋が物凄く散らかっている。
「なんだこれ!
 まるでのだめの部屋!!」
のだめを呼んでみるが、返事はない。
「・・・帰ったのか。
 よし、まずは掃除だ!!」
寝室に行くと、なんとのだめが千秋のベッドで寝ていた。
「ふざけんな!!
 何でお前が俺のベッドで寝てるんだ!
 警察に突き出すぞ!」
のだめをベッドから引きずり出す千秋。

そこへ、なんと龍太郎と真澄がやって来た。
「どうしてあんたがパジャマ姿でいるのよ!?」
「まさか、同棲!?」
こたつに感動する龍太郎。
「おい!お前ら何しに来た!練習は??」
「千秋さまの側にいて、いろいろとサポートをしたいんですって!
 コンマスなりに、いろいろと考えているみたいなんです!」
真澄が説明する。

こたつにあたる4人。
龍太郎がじーっと千秋を凝視する。
「・・・何だ!!」
「いや・・・レーダーを。」

食べ物をこぼし、大騒ぎし、部屋はどんどん散らかっていく。

「どうしてこんなことに・・・。
 そうか。今やっとわかった!
 諸悪の根源は、全て、このこたつだ!
 このこたつと共に、のだめの侵略を許し、
 このぬくぬくとした温度と布団で、体と頭の感覚を鈍らせ、
 人間を堕落させる・・・。」

「おい!金をやるから、みんなでコンビニに行ってこい。」

「するめ交響曲第一番!
 すーるめーを 食べましょう♪
 カールシーウム取りましょう♪」
ご機嫌な様子で買物に行く三人。

「今のうちだ!
 今のうちに、この忌まわしい物体を、
 うちから排除しなければ!!」

千秋は三人がいない隙に、こたつをごみ置き場に急いで運び、
そして部屋の鍵をかける。

「これであいつらも、こたつごとのだめの部屋に移るだろう。」

カチャ。千秋の部屋の鍵が開く。
「え!?」
「ただいまー。
 鍵持って出て良かっただろ??」と龍太郎。
「本当だわー!」と真澄。
「先輩の好きなおつまみ買ってきましたー!」とのだめ。
三人がこたつを運び入れる。
「・・・・・」

「こたつじゃない!
 原因はこいつらだったのか!」

「頼むから・・・勉強させてくれ!!」
三人は千秋の部屋から追い出された。

そんな折、構内に定期演奏会のポスターが貼られる。
そこには、シュトレーゼマンの写真と一緒に、千秋の写真も
小さくだが添えられていた。

練習中、指揮する千秋のレーダーを見逃すまいと、
凝視しながらヴァイオリンを弾く龍太郎。
千秋はやりにくくて仕方がない。
龍太郎にだけでなく、いままで以上に厳しい姿勢で練習に臨む千秋
そのしごきぶりにプライドを傷つけられたSオケのメンバーたちは、
千秋に対する不満を募らせる。

その頃、Aオケのメンバーの指揮をしていたミルヒーは、
あとは復習しておくようにと言い、帰ろうとする。
「ちょっと待って下さい!
 まだ練習40分しか!」清良がミルヒーを引き止める。
「大丈夫大丈夫!みなさんとてもお上手!心配ご無用!!」
「でも!!もっと指示とかしてもらわないと。
 定期公演まで時間ないですし!」
「私も時間ない!予約してある!!」
「・・・はい。」
「わかればよろしい!」
ミルヒーはそう言い帰っていく。

構内を歩くミルヒーに、指揮科の大河内(遠藤雄弥)が声をかける。
「僕に、Aオケの指揮をやらせて下さい!!
 Sオケでは、千秋に指揮やらせているそうじゃないですか。
 ピアノ科の学生より、僕にチャンスを与えて下さい!」
「・・・見返りは?」
「は?」
「人に物頼むとき、何か渡すこと日本の常識!
 袖の下ー!」
「ソデノシータ??」
「そんなことわからない者に、私の代理などおこがましい!
 鏡の前で、箸でも振ってなさい!」

Sオケのメンバーたちが、泣きながら練習会場から出てきた。
「あいつは鬼だ!」
「みんなでボイコットしてやるか!」

その様子を見た大河内は、指揮者失格と言う。
「指揮者はまず人間性。
 千秋信一、恐れるに足らず!」

のだめは大河内の言葉を聞き、千秋を心配する。

真澄は千秋のことを心配し、清良や龍太郎に不安を訴えるが、
「知らねーよ!俺だってあいつに腹立ってるんだよっ。」と龍太郎。
「ふーん。ま、せいぜい頑張って。」と清良。
「・・・たったの一言かよ。冷てー女だな。」と龍太郎。
「じゃあもう一言だけ。
 指揮者が辛い時に手を差し伸べてやるのが、
 コンマスの仕事だって、私は思うけど。」
「・・・・・」

龍太郎がみんなを集める。
「練習しよう!
 俺たち、初めてオケに出られるチャンスなんだよ!
 みんなが、腹立つのはわかるけど、
 俺たち、Sオケの指揮者は千秋なんだ。
 千秋の言うとおり、千秋の表現したい音楽に少しでも近づくように
 練習しよう!!」
真澄が頷き、ティンパニを叩く。
すると他の生徒たちも、それぞれの楽器を奏で始めた。

のだめはその様子に、家で勉強する千秋の元へ。
「あの・・・」
「どっから入ってきたんだ、お前!」
「ご飯忘れているようなんで、作ったんですけど。
 食べないと身体壊しちゃいますよ!」
そう言い、何十個ものオニギリの差し入れを渡す。
「いくつ作ったんだ・・・。」
「のだめオニギリは失敗したことがないんです!」
「失敗って・・・しないだろ、普通。」
「そうだ!先輩。食べながらビデオでも見ませんか?
 好きな映画持ってきたんです!
 先輩煮詰まっているみたいだし、
 いい気分転換になるかもしれませんよ!」
「何だよ、急に・・・。
 まさか!この映画の中にオケのヒントが!?」

のだめが持ってきたビデオは、『プリゴロ太 宇宙の友情大冒険』。
「始まった始まった!
 ねー知ってます?知ってますよね、プリゴロ太!」
「知らねーよ!」
「いつもゴロゴロしているやる気のない小学生ゴロ太がピンチになると、
 宇宙の妖精プリリンの魔法に頼るという複雑なお話です。」
「単純だろ!」
「そして、今回はプリリンの魔法で宇宙旅行に行くことに
 なるんですけど、 例のごとく、いじめっ子のカズオ君たちまで
 付いてくることになちゃうんです。」
ゴロ太の人形を手につけながら、のだめが説明する。

アニメ映画につい見入る千秋。
「そんなこんなでカズオ君のせいで宇宙船が
 壊れてしまうんですけど・・・。」

宇宙船を壊してしまったカズオは、ゴロ太に罪をなすりつけて、
修理させ、その間自分たちは野球をして遊んでいる。

カズオが宇宙船にしがみつきながら悲鳴を上げている。
下手ををすれば自分たちも宇宙の藻屑に。
カズオがいなければ、もういじめられることもない、と
友達が言う。

カズオは自分に宇宙アメをくれた。
それがなければ自分は死んでいた・・・。

ゴロ太はカズオの救出に向かう。

「ゴロ太!今までごめんな。」
「いいんだ。カズオ君。
 僕、宇宙の来てわかったんだ。
 人間は一人じゃ、生きられないって。
 愛と友情がなきゃ、生きられないって。」

感動して涙を流すのだめ。
「先輩もわかりますよね、カズオの気持ち。
 似たもの同志!」
カズオの人形と千秋の隣に寄せるのだめ。
「・・・何が似たもの同志だ!ふざけるなーっ!!」
「ぎゃぼーっ!!」
千秋のパンチにのだめ、吹っ飛ぶ!
「ほら、カズオ。」
「殺すぞ!」
「それがまたカズオ!」
「何が言いたいんだ、お前は!!」
「ぎゃぼーっ!!!」

その頃、クラブで豪遊するミルヒー。
接待する雑誌編集者の河野(畑野ひろ子)は、領収書が落ちないと
会社から言われ大ショック。
女の子に囲まれご機嫌のミルヒーは、定期公演のポスターを
自慢げに見せる。
だが女の子たちはそのポスターに小さく載っている千秋に気付き、
大騒ぎ!
「千秋・・・!!」ミルヒー、嫉妬に燃える!!

「そろそろ本当のことを教えてくださいません?マエストロ~。
 あなた程の指揮者が、なぜ音大に?
 何か、特別な理由があるんじゃございません??」
色気仕掛けで迫る河野。
「・・・」
ミルヒーはさっきから鳴っている携帯を見つめる。
その相手は・・・ELISE。金髪の女性だ。

翌朝。
千秋は出かける前に、落ちていたカズオ人形を拾い上げ、
そしてのだめが大量に作ったおにぎりを見つめる。
「何で俺がカズオなんだ・・・。」
そう呟き、おにぎりを頬張る。
「・・・」

「定期公演まであと3日。
 このままじゃ本当に間に合わない・・・。」

千秋が練習教室に着くと、Sオケのみんなが待っていた。
「今まで、邪魔して悪かった。」と龍太郎。
「私たち、ちゃんと練習してきましたから!」
みんなが頷く。
「・・・わかった。
 じゃあ頭っから始めよう。」

目を閉じ、指揮棒を振る千秋。
「・・・すごい!!
 出来てる!!
 ゴミみたいだった一音が、
 チェロバスも、ホルンも!
 今日はみんな弾けてる!
 俺の指示通り、譜面どおり!!」
千秋が目を開く。
「でも・・・何だこれ・・・。
 音が少しずつ・・・微妙にずれていく。」
譜面を必死に見ながら楽器を演奏するSオケメンバー。
「・・・みんな、指揮を見ていない! 
 気持ち悪い・・・。」
指揮棒を降ろす千秋。
気分は、宇宙を漂うカズオ。
そして千秋の手から、指揮棒が落ちた・・・。

「千秋さま!!」真澄が千秋の異変に気付く。

教室の前でピアノを弾く真似をしながらSオケの音楽に耳を傾けていた
のだめも、急に音楽が止まり驚く。

口元を手で覆う千秋。
倒れそうになる千秋の手を掴んだのは・・・龍太郎だった!
ゆっくりと床に倒れる二人。
千秋の口から、飴玉が飛び出す。
「あ・・宇宙アメ・・・。」
千秋はぼんやりとした視界で、駆け込んできたのだめの姿を見つける。
宇宙アメが美しい緑色の光を放っている・・・。

千秋が目を覚ます。
付き添っていたのだめ、真澄、龍太郎が心配そうに付き添っていた。
「そうか・・・。俺・・・。
 大丈夫だ。ちょっと音に酔っただけだ。」
「ごめん!
 俺ら、譜面どおりやろうって、
 楽譜を見るのに必死で、
 指揮見るの忘れてた。
 あいつら、ほんとお前の要求にこたえたいって
 思ってるんだよ。」と龍太郎。
「とにかく、今日はもうお休みになって。
 あとは私たちで練習しますから。」と真澄。

自宅でシャワーを浴びる千秋。
「今日の練習、指揮を見ていなかったことは別にして、
 みんなちゃんと弾けてた。
 でも何かが違う!
 あれが俺の求めていた7番??」
部屋からピアノの音が聞こえてくる。

急いで着替えて部屋に行くと、のだめが『7番』を弾いていた。
「お前・・7番覚えたのか?」
「だって毎日演奏聞いてましたから。
 これいい曲ですよね!」間違えながらも楽しそうに弾くのだめ。
「でたらめじゃねーか。」
「・・・いかずち♪
 どーーろぼう、どろぼう、どろぼーーう♪」
勝手に歌詞を付けて歌いながら弾くのだんに、
「どういう曲だよ・・・。」
そう呟きながら、千秋は目を閉じ気持ちよさそうに聞く。

「相変わらずめちゃくちゃだけど・・・
 すごい。
 あの時と同じだ。(のだめと一緒に弾いたとき)
 湧き上がる。はしゃぎまわる。
 迫ってくる。
 純粋で、計算のない、個性!
 ああ。そうだ。
 あいつらみんな、のだめなのか。
 何でマエストロはあいつらを選んだのか、
 何で峰がコンバスなのか、
 何でSオケに表題のない曲を・・・。

練習会場。
「え!?演奏全部変える!?」千秋の言葉にメンバーが驚く。
「悪いけど、今までのは全部忘れてくれ。」
「いや忘れるって!
 公演明日なんだぞ!」と龍太郎。
「だから、今日一日でやり直す。」
「そんな・・・やっとまとまってきたのに・・・。」
「・・・ごめん。俺のせいで振り回して。
 でももっと良くなるから。
 頼むよ、コンマス。」そう言い龍太郎の肩を叩く千秋。
「千秋が俺に頭を下げるなんて・・・。」
「下げてはないわよ!」真澄が微笑む。
「よっしゃー! 
 よくわかんないけど、やり直しだ!」
盛り上がる者、そして戸惑う者。
「そこで・・・曲の解釈なんだけど、
 前まで俺は、音のみで表現しろって言ってたけど、
 ここに来て、何かテーマみたいなものがあってもいいのかと。
 だから、初めにコンマスがやろうとしていた、」
「いいのか?ロックで!」
「流石にそれはアホっぽいけど、
 力強さとか、躍動感とか、
 お前らの個性、出せるように俺も考えてきたから、
 やってみようか。」
みんなが微笑む。
「じゃあ頭っから、テンションあげて。」
一同は楽器を構える。そして千秋が指揮を振る。

その頃、Aオケの練習を終えたミルヒー。
「ブラボー!
 みなさん、とてもよく出来ました。」
「やっぱりさすがだわ。シュトレーゼマン。」清良が呟く。
「清良。よくここまでまとめましたね。」
ミルヒーが清良の手にキスをする。
それを見つからないように服で拭く清良。

「みなさん、明日の定期公演、Sオケなんぞ、
 コテンパーにしてやりましょう!」

講演会当日。
千秋のスーツ姿にのだめはうっとり。

Sオケメンバーが時間ギリギリに到着する。
みんなSオケTシャツを着ている。
「遅いぞ!!
 ・・・なんでお前らTシャツのままなんだ!
 そして臭い!!」
「いやだって、今まで泊まり練習で、
 うちに帰る暇なんてなかったじゃないか。」と龍太郎。

係員に呼ばれ、緊張するメンバーたち。
「おい。みんな落ち着け。」
「お・・落ち着けるわけねーじゃないか。
 だって、俺たちほとんどオケ初めてなんだぞ!?」と龍太郎。
「もし、千秋さまに迷惑をかけて、しまったらーっ!!」と真澄。
「俺も初めてだよ。」
「・・・」
「Aオケとか、勝負とか、もう気にしなくていいから。」
千秋はそう言うと、ジャケット、ネクタイ、シャツを脱ぎ捨てる。
シャツの下にはお揃いのTシャツを着ていた。
背中には、大きく『SPECIAL ORCHESTRA』の文字。
「俺たちSオケの初舞台、楽しもう!」
「はい!!」

Sオケが舞台に上がるのを見つめる教師たち。
「まずは千秋君のSオケからですか。」嬉しそうな谷岡。
「なんですか、あの派手な格好!」
「Aオケの前座とはいえ、あんまり恥かかせないでくれよー。」

のだめも席に付き、祈るような気持ちで舞台を見つめる。

千秋が舞台に登場し、挨拶する。

「学生が、指揮?」雑誌編集者の河野が呟く。

みんなを見渡す千秋。
メンバーも千秋を見つめる。
千秋は龍太郎と頷きあい、そして指揮棒を振り上げた。

「あの子・・・あんなに弾けたっけ?」教師が呟く。
「コンマスだけじゃない。
 本当に落ちこぼれの集まりなのか?」
「だとしたら、彼らを変えたのは・・・。」

「江藤先生、あの指揮の子は一体・・・」河野が聞く。

ミルヒーも真剣な表情で演奏を見つめる。

曲中盤、龍太郎がしきりに千秋にウィンクを送る。
何度も、何度も。

Sオケメンバー全員が、千秋に笑顔で合図を送る。

「・・・わかったよ。
 やるならここだろ!」

クライマックスの前。
楽器をくるっと回転させ、天を仰ぎながら演奏を続けるSオケ。

のだめは感涙。

「うそー!カッコイイ!」と観客。

千秋が気持ち良さそうに指揮棒を振る。

「これでもう正当な評価は消えたな。
 でも・・・
 楽しい!」

河野がSオケに、真剣な表情でカメラを向ける。

それぞれの楽器を振り上げ、Sオケの演奏が終わる。
静まり返る会場。
「ブラボー!!」
最初に大声あげたのは、ミルヒーだった。
そして、会場からの大拍手。

「気のせいか、笑いが混じってるよね。」と龍太郎。
「気のせいじゃねーよ。」と千秋。

会場の拍手、笑顔を見つめ、千秋とSオケメンバーが礼をした。

「千秋のやつ、カッコつけやがって!
 あんな下品な演奏、子供だましだ!!」
そう言い会場を後にする大河内に、ミルヒーが声をかける。
「君!大河内!
 君、オケ振りたいって言ってたね。」
「マエストロ・・・はい!!」
「わぉ。
 この次の本番、私の代理、よろぴく!」
「え??」
「その服ダサいね。私のジャケットあげます。
 私、お腹チクチク痛い。帰りますからー。」

Sオケメンバーが乾杯する。
Aオケの指揮者が自滅し、Sオケが勝ったのだ。
「私たちの指揮者、千秋先輩で良かったね!」と桜。
「すげースパルタだったもんな。」
「私こんなに練習したの、受験以来かも!」
「メタクソに言われて悔しかったからなー!」
「やっぱ高いところ目指しているやつって
 ハンパじゃないからな。」と龍太郎。
「私たちも、もっと頑張らないと。」と桜。
「ねー、ところで、Sオケってまだ続くのかしらね。」と真澄。

裏軒に、教師たちが集まっていた。
「存続させましょっか、Sオケ!」
「異議なし!」
「いやぁ、驚いた!
 さすがでしたね、千秋君」
「他の生徒にもいい影響を与えているようです!」
「あのコンマスの峰君とかね。」
その言葉に、店主がくす玉を割る。
『祝・Sオケ存続定食始めました』
盛り上がる教師たちの中、江藤だけは、複雑な表情を浮かべていた。

構内。
千秋を探すのだめは、彼がベンチで眠っているのを見つける。
「先輩!・・・千秋先輩、寝てるんですか?」
千秋の美しい寝顔を見つめるのだめ。
「・・・ほんとに!?」
のだめは辺りを見渡し・・・
「しゅ・・・しゅきあり!!」
のだめは千秋の頬にキス!
「ギャッポーーーッ!!!」
そして大喜びでその場を走り去った。

「バーーカ。
 これはお礼だからな。」
신고


のだめカンタービレ Lesson 3
『弱小オケ大ピンチ!!愛は貧乏を救えるか』

のだめ(上野樹里)は、練習のために集まっていた特別編成
オーケストラ・通称Sオケの学生たちに、千秋(玉木宏)が
指揮者を務める、と告げる。

Sオケは、桃ヶ丘音大に招かれた世界的指揮者、ミルヒーこと
シュトレーゼマン(竹中直人)が、龍太郎(瑛太)たち落ちこぼれ
学生ばかりを集めて編成したオーケストラだった。

だが、シュトレーゼマンにキスを迫られたのだめが、彼を殴って
気絶させてしまったのだ。
そもそも、その原因は、のだめがキスをしてくれたら千秋が
ピアノ科から指揮科に転科することを認める、などと
シュトレーゼマンが言いだしたせいだった。

千秋は、困惑しながらも、オーケストラの指揮が出来るこのチャンスに
胸の高鳴りを覚えていた。
シュトレーゼマンがSオケのために用意した曲は、ベートーヴェンの
『交響曲第7番』。
この曲は、千秋が心の師と仰ぐ指揮者・ヴィエラの影響で、
勉強したばかりの曲だった。

Sオケのコンマス・・・コンサートマスターは龍太郎が務めていた。
"巨匠"から指名されたらしい。

女生徒たち+真澄は自分の指揮棒を、と千秋に群がる。
「カッコつけて棒ふるだけだろ。見ものだな。」
冷ややかな視線を送るオーボエの橋本(坂本真)と
クラリネットの玉木(近藤公園)。

「練習の代打とはいえ、オケが振れる!
 こんなチャンスは滅多にない。」

「よし!始めよう!!」
指揮台に上がった千秋は、Sオケの練習を始める。

その頃のだめは千秋の指揮を見せようとミルヒーを背負い
練習会場に向っていた。
「私も見たことないけど、
 いつもあんなに勉強して絶対すごいんだから!
 きっとミルヒーも好きになっちゃいますよ!」
のだめ・・・ミルヒーに胸を触られ
「ギャボー!」ミルヒーにパンチ!!

「コンマスがオケを乱してどうする!
 クラリネット!ピッチ全然合ってねー。
 トランペット!大きすぎる。
 オーボエ!ちゃんと音当てろ。
 ヴィオラ!一人で音程悪すぎ!」

気を取り直してもう1度指揮を振る千秋。
「クラリネット、合わせろ!
 ホルン、ピッチ!
 ファーストクラリネット、ブイブイ言わすな。」
指揮をしながら指示を飛ばす千秋。

「うわぁ、すごい。
 千秋先輩、誰の音だかすぐわかっちゃうんですね。」とのだめ。
その隣で、ミルヒーが真剣に千秋の指揮を見つめる。

憧れの女性の前で恥をかかされたと、オーボエの橋本が玉木と組んで
パートを入れ替えて演奏するという嫌がらせまで仕掛けてくる。
それに気づき、指揮を止めてしまう千秋。
「やってられっか・・・。」

「指示は無視するわ、学習能力はないわ、
 おまけに、バカな嫌がらせまで。
 こんな不快なオケ・・・。」

するとミルヒーが千秋を押しのけて指揮台に上がった。
「はいそこまで。
 千秋失格です。さっさと降りて。
 みなさん、お待たせしました。主役の登場です。」
「おい、失格って何で俺が。」
「君は、女の子泣かせた。最低の失格です。」

そこへ、コントラバスの桜(サエコ)が遅刻してやって来る。
「全員揃いましたね。
 それでは練習始めましょう。
 千秋、君は大事なことに気付いていない。」
「大事なこと?」
「峰君。とりあえず、ボーイングとか気にしなくていいから、
 もっと楽しそうな音出して。いつもみたいに。」
「はい!!」嬉しそうに返事をする龍太郎。
「ホルンの君、一度鼻かんだ方がいいね。
 クラリネットの君、一度そのリード、変えた方がいいかもよ。
 それから、美人の、双子のお嬢さん。
 指揮者に見とれるのは、とてもOKだけど、
 色っぽい音いやらしくて。
 コントラバスの、オチビちゃん。準備はいいですか? 
 それでは、千秋の言ったとおり、みんなで通してみましょう。」
ミルヒーはメンバーの体調や楽器の調子などを気遣うと、
千秋とまったく同じ指示をしながらも見事にオケを鳴らしてしまう。

「言い訳するつもりはないが、こいつらは下手だ。
 リードや体調の悪さも、本人の責任だ。
 でも・・・あの人が振るだけで、オケが鳴り出す。
 あの人はきっと・・・音楽を、人を尊敬して、
 それが自分に帰ってくる。
 あれが・・・本物のマエストロなんだ!」

シュトレーゼマンの力量を目の当たりにした千秋は、
改めて指揮科への転科を申し出る。
「別に転科しなくても、私の弟子にしてあげますよ。
 君は結構面白い。
 ヴィエラなんかの弟子にしておくのはもったいない。
 ただ、転科はやめなさい。ピアノは続けた方がいい。
 その代わり、他の時間、私にずっとつきっきりです。」
「先生・・・!」
「よーし!そう決めたら渋谷レッツゴー!
 千秋と一緒なら、逆ナン狙えます!」

コントラバスを背負って必死に歩く桜。
上から見ると、小柄な桜の体はコントラバスに隠れてしまう。

今日も友達の弁当を盗むのだめ。
桜とぶつかり、弁当を落としてしまう。
「そのお弁当・・・
 いらなかったら私が食べてもいいですか!?」と桜。
泥だらけになっても、
「大丈夫です!
 空腹は最高のスパイスですから。」と言い食べだした。
「いけない!!
 オケの練習に遅刻しているんだった。
 私ったら、つい食べ物に目がくらんで。
 のだめちゃん、ごちそうさまでした!!」
桜は嵐のように去っていった。

ミルヒーは、2週間後に迫った定期公演にSオケも出演させる、
とメンバーに告げる。
さらに彼は、正式に千秋をSオケの副指揮者に任命。
練習を千秋に任せてキャバクラに遊びに行くと千秋にこっそり報告。

そしてミルヒーはSオケのメンバーたちに言う。
「私はAオケも指揮科も見なければならない身!
 Sオケばかりに、構ってはいられない!
 次に私が来る前に、千秋にみなさんのレベルアップ
 やっていただきます!
 誰一人欠けることなく。頑張ってください!」

するとそこに、コントラバスの桜が遅刻してやってくる。
千秋は、さっそく練習を開始した。

千秋は怒鳴りつけたい気持ちを抑え、なるべく穏やかに
メンバーたちに指示を出していく。

桜が同じコントラバスの岩井(山中崇)に変えたボーイングの
書き写しをさせて欲しいと頼む。
「そんなのさ、みんなであわせるときに覚えてよ。
 君一人のせいでコントラバス全員があんな風に言われちゃさ。
 遅刻の上に練習不足。やる気ねーんじゃねーの?」
岩井は桜のことを厳しく非難する。

のだめは練習を終えた千秋の元に駆けつける。
「お疲れ様です!
 はい!タオルと、レモンのはちみつ漬け!
 それから・・・好きです!」
「あんた何よそれ!
 野球部のマネージャー!?」と真澄。
「いやマスコットガールだろ?」と龍太郎。
「南ちゃんです!」のだめが蹴った缶が真澄に激突!
「何が南よ!今日こそ殺すわ!!」
じゃれあう(?)二人。

千秋の元に、オケのメンバーが次々とアドバイスを聞きに
やってくる。
あっという間に千秋の周りは人だかりに。

「この間よりは優しくなったっていうか・・・
 近くなったよな。」
以前嫌がらせをした橋本と玉木も、千秋に群がる。

指揮科の大河内はますます千秋をライバル視。

のだめは千秋が生徒たちに囲まれ、寂しさを感じる。

その夜、のだめは、道端で泣いている桜を見つけ、
とりあえず彼女を自分の部屋に連れて行く。

千秋は次々とかかってくる電話相談に悩まされる。
「誰だ!俺の携帯番号を回したのは。
 俺は子供相談室か・・・。」

そこへ、インターフォンが乱暴に鳴らされる。
「とどめは、のだめか!」

ドアを開けると、桜が茶碗を手に立っていた。
「ご飯恵んで下さい・・・。」
「これも副指揮者の仕事なのか・・・。」

何だかんだ言ってもご馳走してあげる千秋。

桜は、父親の会社が傾いたせいでアルバイトに追われ、
練習もままならない、と訴える。

「だったら大学を辞めたら?
 学費の為に練習する暇がないなら、
 大学に行く意味があるのか?
 俺なら大学に行かないで練習するけどな。
 ま、別に、上手くなりたくないなら今のままでもいいが。」
「上手くなりたいです!」
「そうか?
 今ここで泣いている暇があったら、練習しようと思わないやつは
 ダメなんじゃないのか。既に。」
桜が泣きながら帰っていく。
のだめは自分のスパゲッティーを持って桜を追う。

「私・・・大学辞めようっかな・・・。」
そう言い泣く桜だった。

龍太郎が張り切って大学に出かけていく。
「これがコンマスの宿命!
 俺がいなきゃ、オケは鳴らねーからな!
 行って来ます!」
息子を頼もしく思い、感涙する父・龍見(伊武雅刀)。

Aオケのコンマスは清良(水川あさみ)が務めていた。
視察に来た龍太郎は清良がテキパキと指示を出す姿に驚く。

真澄の姿を見つけ、清良が客席に下りてきた。
「シュトーレーゼマンが来るまで、オケを引っ張るのは
 コンマスの仕事だし。」
「え??Aオケにも来てないの?何やってるのかしらね。」
「今頃Sオケのコンマスも大変でしょう?
 みんなに色々頼られちゃって。」
気まずそうな龍太郎。

その日、桜は練習に姿を見せなかった。
「あいつ下手だし、代わりなら他にいくらでもいる。」
コントラバスのメンバーたちは冷たい。

のだめは、「桜ちゃんが休んだのは先輩のせい!」と怒鳴りつけ、
飛びだしていく。

「お前みたいな人間にはわかんないんだよ。
 いつもみんなの中心で、
 いつもみんなに頼られて、
 お前みたいな人間にはわかんないんだよ!」
龍太郎も飛び出していく。

その頃ミルヒーは、今日はどの店に行こうかと雑誌を読んでいた。
「どういうつもりですか?
 学生だけにオケ任せて、一体何を企んでいる。」
江藤(豊原功補)がミルヒーに言う。

のだめは弁当を買おうとするが残金は55円。
その店の残飯を漁っている桜を見かけ・・・。

「あそこでバイトしてたんですね!」
「うん。期限切れのお弁当持って帰れるから。
 バレたらクビだけどね。
 でも良かったー。見られたのがのだめちゃんで。
 音大っていいとこの子が多いでしょう。恥ずかしくって。」
「今日どうして練習休んだんですか?
 千秋先輩の言っていること気にしてるなら、」
「ううん。千秋先輩の言っていることはごもっともだと思う。
 自分でもわかってるんだ。
 時間がないのを言い訳にしているだけだって。
 本当は貧乏が悪いんじゃない。私が悪いの。
 私が下手だから。
 Sオケには私がいない方がいいと思う。」
「桜ちゃんはそれでいいんですか?」
「・・・」

第二楽章の指示はまだ出ていない。
千秋はミルヒーが置いていったチラシの店を訪ねていく。
「じじぃ!
 あんたは本当に、毎晩毎晩こんなことをしてたのか!」
「千秋こそ、なんでこんな所にいるんですか!?」
「え?」
「レベルアップどころか、メンバーの一人来てないそうですね。
 そんな状態で、この私に、引き渡すつもりですか!?」
「それは・・・」

突然、店の女の子たちに取り囲まれる千秋。
ミルヒーは憎しみに満ちた目で千秋を見つめる。

ガスを止められたのだめが、風呂を貸してほしいと
千秋を頼ってきた。
「イチイチ俺を頼るな!」
千秋が追い返す。
「先輩みたいな人にはわからないんです。
 この痒さも、この悔しさも・・・。
 石鹸で・・台所洗剤で洗った髪がどうなるのかも!!」
「台所洗剤!?」
「ショパンやベートーヴェンだって、
 貧乏なめ尽くして大きく成長していったのに!
 よく知らないけど・・・
 先輩貧乏知らなさすぎです!
 そんな人に本当の音楽やビートーヴェンがわかるのでしょうか!!」

「俺が貧乏知らなさ過ぎ??
 知ってるよ。貧乏だろ。」
千秋が思い浮かべるのは、
マッチ売りの少女・・・
フランダースの犬・・・
涙ぐむ千秋。

お風呂で『フランダースの犬』の歌を口ずさむのだめ。
「やめろ・・・その歌!!
 ガスが止められるなんて、あるんだな、現実に。」
のだめのロケットを開けて見ると、自分の写真が入れてある。
思わず壊そうとする千秋。
ロケットの側にあったコントラバスの本を手に取ってみる。
あちこちにメモ書きがしていある。

のだめが風呂から出てきた。
「これ桜ちゃんがのだめの部屋に忘れていったんです。」
「・・・
 俺は今まで、学費や生活費の心配なんてしたことなかった。
 音楽が出来なくなるなんて、考えたこともなかった・・・。」
のだめは元気付けようと、マンガを差し出す。
「こんなのばっかり買ってるから貧乏なんじゃねーかーっ!!」

のだめは千秋と一緒に桜の家を訪ねていく。
真澄と龍太郎も途中で合流。

桜の家はものすごい豪邸だった。
「君たち!うちに何か用があるのかね!?」
父親(升毅)が、借金取りに怯えながら声をかける。

家の中のものはほとんどが差し押さえられている。
桜の友達と知り歓迎する父親。
「僕はね、輸入家具の会社を経営していましてね、
 最近は不況で、こういった高級品はなかなか売れないんだよね。」
「ご家庭の事情はお察ししますが、
 ちゃんと学校に来るように、桜さんにお伝え下さい。」と千秋。
「ちょっと待った!
 君たち、大学では、何の勉強を?」
「私ピアノです!」とのだめ。
「私ティンパニーです!
 そして、こちらの方は、指揮と、ピアノとかやってます。」と真澄。
「そうか・・・。ヴァイオリンじゃないんだ。」
「コンバスですけど、何か!?」と龍太郎。
「そうなの!!あなたに、是非見ていただきたいものがあります。
 こちらへ!」
父親はそう言い、ピアノを弾く。
『ドファミ・・ドド!』
すると・・・壁が開き、秘密の通路が現れた。

父親のコレクションルームには、1億円や6千万のヴァイオリンが
いくつも飾られている。
龍太郎、大興奮!
「どうだい、美しいだろう!
 ヴァイオリンは、14世紀の初めに突如と現れたときから
 この姿なんだよ!
 他の楽器とは違う、奇跡の様な楽器だよ。」と父親。
だがその腕は明らかに初心者。

「アホかあんたは!
 弾けないのにこのコレクション!?
 それで貧乏!?」と龍太郎。
「そうよ!
 あんた借金あるんだったらこれ全部売ってきなさいよ!」と真澄。
帰ってきた桜がみんなの様子を伺う。
「これは!
 そんな簡単に手に入る代物じゃないんだ!」と父。
「あんたの手に入っても、名器も迷惑だよ!」と龍太郎。
「これは!!
 私が、ずーーーと命よりも大事にしてきたコレクションだよ!」
「娘よりも大事ですか
 娘が音楽を勉強したいと言っているのに、
 何でこんなものの為に・・・。
 音楽好きならわかるでしょう!
 娘が音楽を続けたいという気持ち。」と千秋。
「僕はね、ヴァイオリンが好きなんだよ!
 コントラバスなんて、あんな地味で、音程の不安定な楽器なんて。」
「あんたという親は・・・。」
「お父さんに音程のこと言われたくないですよ!」とのだめ。
「僕だってね、僕だって、本当はこのヴァイオリンを、
 いつか桜に弾いてほしい!
 それを楽しみにしていたんだよ!!」
その言葉に桜が叫ぶ。
「お父さん!
 私はコントラバスが好きなの!」
「何でヴァイオリンじゃダメなんだ・・・。」
「だって・・・だってコントラバスの方が大きくてカッコいいから!!」
「え??それだけ??」と龍太郎たち。
「私もっと勉強したいの!
 もっと練習して、もっともっと上手くなって、
 いつかプロの演奏家になりたいの!
 出来ればウィーンフィルの楽団員になりたいの!」「」「」「」「」「」「桜・・・お前そこまで大きな夢を・・・」と父。
「でかすぎだろ・・・。」と千秋。

「お願いします!
 続けさせてください!!」桜が頭を下げる。
「お父さん。
 何億円のヴァイオリンより、娘が音楽を学びたいという気持ちの方が、
 よっぽど価値があるんじゃないんですか?」
「・・・」
「それがなければ、いくらお金があったって。」

大学。
桜が、豪華なお弁当を持ってきた。
「お母さんがみんなにお礼にって。
 お父さんがヴァイオリンを売ったおかげで、
 生活も元に戻ったし、会社まで立ち直っちゃったんです。
 なんかあの中に呪いのヴァイオリンが一本あったみたいで・・・。
 それでお父さんも正気に!」

人より早く教室に行き、練習に励む桜。
その姿に、コントラバスの岩井が言う。
「これ、休んでいる間のボーイング変更。写す?」
「・・・ありがとう!」

「誰一人欠けることなく・・・。」
ミルヒーの言葉を思い出す千秋。

「オーケストラにはいろんな人間がいる。  プロオケともなれば、それこそ、
 いろんな国の演奏者が、いろんな事情を抱えてやってくる。
 マエストロはそれを俺に伝えようとしていたのか・・・。
 まさかな。」

「先輩、寂しいんじゃないんですか?」とのだめ。
「え?」
「だってみんなが上手くなっちゃったら
 ミルヒーにこのオケ渡さなきゃいけないんですよね。」
「・・・寂しいわけねーだろ。それにまだまだだよ。」

みんなが練習を始めようとしたとき・・・。
ミルヒーが姿を現す。
「宣誓!
 今日から私は、このSオケを脱退し、
 Aオケに専念することをここに誓います!!」
「えーーーっ!!」
「Sオケには、私に劣るとも勝らない、千秋という素晴らしい色男、
 また、指揮者がいるではありませんか!」
「ちょっと待って下さい!どういうことですか!?
 まさか・・・この間のキャバクラのことを恨んでいるんですか?」
「当然です!恨んでまーす!
 キサマは、私のハーレム、土足で踏みにじった!
 絶対に、絶対に許しませーん!
 とにかく!
 こっちはAオケ、キサマはSオケ、
 来週の定期公演で、勝負です!
 というわけで、Sオケのみなさん、せいぜい頑張ってくださーい。」

「見捨てられたんじゃない?私たち下手だから・・・。」
Sオケのメンバーが、解散の言葉を呟く。
「解散だな。 
 こういう言い方はなんだが、シュトレーゼマンのAオケに対向しても、
 恥をかくのがオチだ。」と千秋。
「でも・・・でも私はこのオケやりたいです!!
 初めて選ばれたんです。オーケストラ!」と桜。
「私たちも、4年間で初めてよね。」
「このまま卒業するのは嫌です。」
「俺も!」「僕も!」「私も!」
みんなが立ち上がる。
「今日から、SオケのSはSpecialのSだ!
 みんなで妥当Aオケ!妥当シュトレーゼマンだぁ!」
「オォーッ!!」

「おい!俺はまだやるなんて一言も・・・」
千秋の声は、みんなの歓声にかき消される。

「先輩、良かったですね!」とのだめ。
「俺が・・・このオケの・・・正指揮者!?」

こうして、Sオケは新しい指揮者を向え、一致団結したのだった。
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